都市自治体のモビリティに関する研究会
1.調査研究の趣旨
我が国では超高齢・人口減少社会を迎え、それぞれの都市自治体では持続可能な都市経営のために、都市機能を集約化することでインフラ・公共施設の維持コストを縮減、環境負荷を低減するコンパクトなまちづくりが推進されている。それと同時に多様な住民の移動のニーズ・機会(モビリティ)に対応するため、地域公共交通の充実が求められ、需要規模に応じた様々な交通手段の導入が各地で進められている。その中においては政策検討のツールとしてICカードの利用履歴、スマートフォンの位置情報などが活用されるとともに、ICTは利用者への有用な情報提供手段としても多く活用されている。
2013年度に制定された「交通政策基本法」によって地域公共交通のあり方は根本的に見直され、さらに2014年度に改正された「地域公共交通活性化再生法」では自治体は「地域公共交通網形成計画」を策定することが可能となり、今後は自治体による公共交通の主体的な運営・調整が求められることとなった(地域公共交通網形成計画は2016年1月末現在では62市が策定済み)。立地適正化計画の策定(2016年8月現在で4都市が策定・公表済み、約200都市が策定中)とあいまって「コンパクトシティ+ネットワーク」の理念・重要性は多くの自治体に浸透しつつあるが、これらの計画を実施に移していくに当たっての課題は多く、これらを克服していくための方策等を明らかにする必要がある。
2.本調査研究の位置づけ
当センターでは2014年度に「都市自治体における地域公共交通のあり方に関する調査研究」を実施し、LRTの導入やコンパクトシティ政策と連携したバス網の再編、コミュニティバスやデマンド交通の導入など、地域公共交通の多様な事例の調査を通じて、主に供給側の視点から検討を行った。本調査研究では上述の法改正・計画策定の動きを踏まえながら、地域公共交通の供給面だけでなく、コンパクトシティ政策を中心としたまちづくり、ICTを中心とした新技術による人の移動データの収集・分析といった、人々の移動の需要に関わる要素を多角的に分析し、都市自治体の総合的なモビリティ政策の立案に資する知見を得ることをめざす。
3.調査研究の概要
学識経験者及び都市自治体職員からなる「都市自治体のモビリティに関する研究会」(座長 谷口守 筑波大学教授。以下「研究会」という)を設置し、主に以下の項目について調査・検討を進めることとしている。
<主な検討事項(予定)>
①地域公共交通の現状と課題:地域公共交通網形成計画による公共交通の再編
②まちづくりとモビリティ政策の連携:立地適正化計画による都市の集約化
③都市の特性とモビリティ政策のあり方(統計分析/類型化)
④ICTを活用した交通利用データの収集とその応用
4.研究成果の公表
本調査研究の成果をまとめ、平成30年3月に報告書を刊行する予定である。
5.テーマに関する先行研究
<過去の調査研究>
都市自治体における地域公共交通のあり方に関する調査研究(2014年度)
6.研究会委員名簿
座 長 | 谷口 守 | 筑波大学社会工学専攻教授 |
委 員 | 関本 義秀 | 東京大学生産技術研究所准教授 |
〃 | 土方 まりこ | (一財)交通経済研究所主任研究員 |
〃 | 松川 寿也 | 長岡技術科学大学環境社会基盤工学専攻助教 |
〃 | 青木 保親 | 岐阜市企画部交通総合政策審議監 |
〃 | 酒井 俊雄 | 福井市都市戦略部次長 |
(平成29年9月1日現在)
7.研究会開催状況
回 | 開催日 | 議事次第・配布資料 | 議事概要 |
第9回 |
平成30年1月15日 |
議事概要 | |
第8回 |
平成29年12月12日 |
議事概要 | |
第7回 |
平成29年9月29日 |
議事次第 |
議事概要 |
第6回 |
平成29年8月30日 |
議事概要 | |
第5回 |
平成29年5月22日 |
議事概要 | |
第4回 |
平成29年2月27日 |
議事次第 |
議事概要 |
第3回 |
平成28年12月2日 |
議事概要 | |
第2回 |
平成28年9月28日 |
議事概要 | |
第1回 |
平成28年8月23日 |
議事概要 |
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