自治体の遠隔型連携に関する研究会
自治体の遠隔型連携に関する研究会
1.調査研究の趣旨
我が国においては、本格的な人口減少社会の到来を迎え、今後急速に高齢化と人口減少が予測されている。そうしたなか、2014年には自治体間の新しい広域連携の制度として、連携協約制度が創設された。さらに、東京圏への一極集中によって、地方では過疎化の一途を辿っている。そうした観点から、地方への新しいひとの流れを作る(いわゆる「地方創生」)必要性が指摘されている。今後は持続可能な地域社会の実現や、地方が成長する活力を取り戻していくために、自治体同士による各地域の特色を活かした効率的・効果的な連携に向けた検討が求められる。
新たな広域連携の選択肢として、モータリゼーションの進展による生活圏の広域化だけでなく、ICTの発達やネット社会の到来など、地理的な制約を受けない技術を用いることにより、近隣自治体だけでなく遠隔自治体との広域連携も考えることが可能となった。そのため、距離はあるが同様の政策を行っている自治体同士の情報・知識を即時的に共有することや、災害時のような緊急性の高い場合にも迅速な連携を行うことが期待される。
また、大都市圏における急速な高齢化により、都市部での高齢者福祉サービス供給の確保が困難になるなど、医療・介護の問題が深刻化している。そうした問題の解消に向け、地方部の自治体との連携による介護老人福祉施設等の整備や、日本版CCRC構想により、従来とは違った形での地方移住を選択肢のひとつとして打ち出すといった動きが見られる。今後は、自治体間での連携による医療・介護の充実が期待される。
そこで本研究では、広域連携手法としての「遠隔型連携」に注目し、災害時の広域連携手法や、医療・介護の福祉サービスを機能させるために遠隔型連携の役割を確認すること等により、今後の自治体同士の新たな連携を確立していくうえで必要な知見を得ることを目的とする。
2.調査研究の概要
学識経験者及び都市自治体職員からなる「自治体の遠隔型連携に関する研究会」(座長 横道清孝 政策研究大学院大学副学長・教授。以下「研究会」という。)を設置し、調査研究を進めることとした。研究会では、以下の検討事項について調査を行うこととしている。
<主な検討事項(予定)>
①遠隔型連携の現状について
②遠隔型連携の防災・危機管理への活用
③福祉分野における遠隔型連携の可能性
④遠隔型連携の今後の方向性
3.研究成果の公表
本調査研究の成果をまとめ、平成29年3月に報告書を刊行する予定である。
4.テーマに関する先行研究
<過去の調査研究>
都市自治制度研究会(都市内分権と広域連携に関する調査研究)(2014~2015年度)
基礎自治体の機能的協力に関する調査研究(2011年度)
基礎自治体の広域連携に関する調査研究(2010年度)
5.研究会委員名簿
座 長 | 横道 清孝 | 政策研究大学院大学副学長・教授 |
委 員 | 伊藤 正次 | 首都大学東京大学院社会科学研究科教授 |
〃 | 木村 俊介 | 一橋大学大学院法学研究科教授 |
〃 | 辻 一郎 | 東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学分野教授 |
〃 | 西田 奈保子 | 福島大学行政政策学類准教授 |
〃 | 高田 秀和 | 豊島区政策経営部企画課長 |
〃 | 檜槇 貢 | 佐世保市政策推進センター長 |
(平成28年8月1日現在)
6.研究会開催状況
回 | 開催日 | 議事次第・配布資料 | 議事概要 |
第5回 |
平成29年1月13日 |
議事概要 | |
第4回 |
平成28年12月13日 |
議事概要 | |
第3回 |
平成28年11月1日 |
議事概要 | |
第2回 |
平成28年8月25日 |
議事概要 | |
第1回 |
平成28年7月21日 |
議事概要 |
前のページに戻る