2013年度以前の調査・研究

基礎自治体の広域連携に関する調査研究2010

基礎自治体の広域連携に関する調査研究

1.趣旨・目的

平成の大合併も一区切りとなり、従来の広域行政圏施策が廃止されるなど広域行政を巡る環境は大きく変化した。地方分権が進展する中で、基礎自治体はそれぞれの地域の現状や将来動向を踏まえながら、他の基礎自治体との連携を含めそのあり方を自らの判断により選択することが求められている。当センターでは、こうした背景を踏まえて基礎自治体の広域連携のあり方の参考となるよう、平成の大合併や広域行政圏施策の廃止の影響とともに、新しい広域連携の仕組みである定住自立圏施策を視野に入れつつ、広域連携の動向を把握しその将来を展望するため、「基礎自治体の広域連携に関する調査研究」を実施した。

2.調査研究の手法

 本調査研究を進めるにあたって、2010年3月に「基礎自治体の広域連携に関する研究会」(座長;横道清孝政策研究大学院大学教授・地域政策プログラムディレクター)を設置し、「広域連携組織」に対する「基礎自治体主要広域連携組織アンケート」及び有識者・関係機関へのヒアリング等を進め、その成果を報告書『基礎自治体の広域連携に関する調査研究報告書-転換期の広域行政・広域連携-』として刊行した。 

3.調査研究の概要

 研究会の各委員から論考をいただき、本調査研究における主要な論点である平成の大合併後の圏域行政のあり方や、現在行われている広域連携の事例を調査して以下の(1)~(4)に取りまとめた。 
 この他、本調査研究において実施したアンケートの単純集計結果と42の廃止した広域行政機構及び29の存続しているが計画未策定の広域行政機構について組織形態や廃止理由などを取りまとめた。 

(1)これからの広域連携のあり方を考える
 広域連携の法制度の発展や圏域行政の展開、広域連携をめぐる環境変化を総括的に踏まえながら、これからの広域連携のあり方について考察している。

(2)広域行政機構廃止の実証分析
 圏域行政と市町村合併との関係について本調査研究において実施したアンケート等を基に計量分析を行い、圏域行政が果たした役割・機能について考察している。

(3)定住自立圏構想-その現状と課題
 定住自立圏施策を展開している複数の具体的事例の成立経緯や圏域形成に係る調整等を踏まえながら、その成果と課題について考察している。

(4)市町村間広域連携の事例分析~教育行政・介護保険行政を中心に~
 広域連合を活用した教育・介護保険分野の具体的事例の取組内容やその効果を踏まえながら、他地域での導入に係る留意事項等について考察している。 

4.調査研究の体制(基礎自治体の広域連携に関する研究会)

 座 長  横道 清孝 政策研究大学院大学教授・地域政策プログラムディレクター
 委 員  出口 裕明 神奈川大学法学部教授
 〃  原田  久 立教大学法学部教授
 〃  甲斐 朋香 松山大学法学部准教授
 〃  森川 世紀 筑波大学大学院図書館情報メディア研究科准教授

(敬称略、所属役職等は2011年3月現在)

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