報告書

地方法人課税と都市財政~法人課税改革最前線の有識者に聞く~

地方法人課税と都市財政~法人課税改革最前線の有識者に聞く~


A4判 218p
定価1100円(本体価格1000円+税10%)

 

amazonでの購入はこちらから

エグゼクティブ・サマリー(PDF形式)はこちらから

※下部の「目次」から、章ごとに本文(PDF形式)をダウンロードできます。

 

近年、わが国においては地方税の減税や廃止の要求が相次いでなされるようになっており、その一部はすでに実施に移されるようになってきている。このことから、最近の税制改革の大きな焦点は今や地方税改革となっており、わが国の地方税制は歴史的な岐路を迎えつつあるものと考えられる。

とりわけ、近年は法人税の廃止論・縮小論が声高に叫ばれてきているが、周知のように地方交付税分も含めると実に法人税収の約6割が地方財源である。さらに、こうした法人税の廃止論・縮小論の問題点は、今後の急速な人口の少子高齢化の進展と巨額の財政赤字の下でむしろ歳入を増やさなければならないという状況下で、これまで多額の税収をあげてきた法人税の減収分を消費税を筆頭にその他の税の増税で穴埋めする可能性を秘めているという点にある。こうした事実から、このような法人税改革の動向は都市自治体をはじめとする自治体財政全体に影響をもたらしうるとともに、市民生活にも大きな影響を及ぼしうるものである。にもかかわらず、そうした改革論議において実際に行われている論争からその後の意思決定、そしてその後の実際の改革によって生じうる影響の深刻さは、一般市民にはほとんど理解されていないというのが実状ではないだろうか。

そこで、本報告書では、「地方法人課税および地方消費課税に係る税制改革が都市財政へ与える影響」をテーマとし、「分権型社会を支える地域経済財政システム研究会」(座長:原田博夫 専修大学大学院経済学研究科研究科長・教授)を設置し、国政レベルで地方税改革論議の最前線におられた研究者の方々と、都市自治体の財政担当の皆様による「現場の声」をとりまとめた。本報告書が、今後の地方税改革論議の質の向上はもとより、それらの理論的基礎を考えるうえで少しでも示唆となることを切に願うものである。

 

 

 

目次

 

表紙

はしがき

本書の構成とねらい

委員名簿

目次

エグゼクティブ・サマリー

 

第1部 地方税改革(とりわけ法人税改革)の歴史と理論

第1章 地方税改革(とりわけ法人税改革)が都市財政に与えてきた影響

(東京大学名誉教授 神野直彦)

 

第2章 地方法人所得課税改革の現状と課題

(立教大学大学院経済学研究科教授 関口智)

 

第3章 法人課税のあり方と地方法人課税改革

(京都大学大学院経済学研究科・経済学部教授 諸富徹)

 

第4章 法人税論議の前提を再検討する

(慶応義塾大学経済学部 井手英策)

 

第2部 都市自治体におけるこれまでの財政運営と地方税改革等の影響

第5章 宇都宮市におけるこれまでの財政運営と地方税改革の影響について

(宇都宮市行政経営部財政課課長 篠﨑雄司)

 

第6章 池田市における行財政運営と税制改革等の影響について~過去20年間の財政状況を中心に~

(新潟大学経済学部教授 小池信之)

(日本都市センター研究室研究員 清水浩和)

 

奥付・裏表紙

前のページに戻る
ページTOP