報告書

団塊世代の地域参画 -コミュニティの再生を目指して-

団塊世代の地域参画 -コミュニティの再生を目指して-


A4判 215p

完売いたしました

 

日本の高度成長期を支えてきた約670万人もの団塊世代の人々が、2007年を皮切りに、定年退職を迎えようとしています。団塊世代の多くの人々は健康であり、現役時代に培った様々な能力をもっているともいわれます。一方、都市自治体においては、厳しい財政事情の下で多様化する住民ニーズに応えていくために、住民との協働やコミュニティ(地域社会)との連携が模索されていますが、その担い手不足が深刻な課題となっています。
本報告書では、都市自治体における「コミュニティの再生と住民自治の拡充」という観点から、団塊世代に関連する施策や、自治体とコミュニティとの連携などについて検討を行い、成果を取りまとめました。

団塊世代に関するコミュニティ活動促進施策は、自治体の中長期的な課題である、コミュニティの再生、住民自治の拡充の一つのきっかけとして捉えることが重要です。もし自治体が、「団塊世代がいま流行だから」または「2007年問題に対処するため」という問題意識だけで団塊世代の地域参画を促す場合、特徴のない「横並び施策」となってしまい、期待されたほどの成果をあげない可能性があります。

どのようにしてコミュニティ活動に参加したいと思う人を増やすかがカギです。そのためには、自治体が団塊世代をまちづくりに活用するという発想ではなく、いかに「活動の場」、「活動のきっかけ」を提供するかという視点が重要です。

テーマ型コミュニティ組織(NPO、ボランティアなど)と地縁型コミュニティ組織(自治会・町内会、消防団など)との「二極化」が進んでいます。コミュニティを活性化するためには、テーマ型コミュニティ組織で活動する人々に、いかにして地縁型コミュニティを知ってもらい、参画してもらうかという視点が重要です。なぜならば、両者が連携・融合することによって、相互の強みを生かすことができると考えられるからです。

コミュニティ活動やまちづくりは、非営利的な分野に限られるものではありません。むしろ、地域経営という観点からすれば、空き店舗が増えている商店街の再生など経済開発の問題まで踏み込んでいくことが求められます。まちづくりにビジネスの要素を取り入れた活動は、一般に、コミュニティ・ビジネスと呼ばれています。

第1部 団塊世代の地域参画

-コミュニティの再生を目指して-

((財)日本都市センター)
1.議論の要点
2.団塊世代の地域参画に関する基本認識
3.コミュニティへの参加を促す方策
4.ガバナンス・協働の意義と課題
5.テーマ型コミュニティ組織と地縁型コミュニティ組織
6.コミュニティ・ビジネス

第2部 団塊世代に関する諸問題

第1章 団塊の世代と協働
(明治大学副学長・大学院長・政治経済学部教授 中邨 章)

第2章 団塊の世代の社会参加を支援するために
(宇都宮大学生涯学習教育研究センター教授 廣瀬 隆人)

第3章 みんなが主役のコミュニティ・ビジネス
-これからは地域力競争の時代、「コミュニティの経済開発を考えよう」-
(コミュニティビジネス総合研究所代表取締役所長・埼玉女子短期大学客員教授 細内 信孝)

第4章 団塊世代による安全安心活動の活性化
(財団法人地域開発研究所研究院 牧瀬 稔)

第3部 事例研究

第1章 足立区における団塊世代の地域回帰戦略
-ナレッジ・ネットワーク・コミュニティの構築をめざして-
(足立区区民部NPO活動支援推進室長 永井 章子)

第2章 高浜市における地域内分権の推進に向けた取組み
(高浜市地域協働部地域政策グループ主査 杉浦 崇臣)

第3章 横須賀市の市民協働の取組み
(横須賀市市民部市民生活課市民協働推進担当主査 小座野 信吾)

第4章 我孫子市における団塊世代の地域へのソフトランディング支援
(我孫子市環境生活部市民活動支援課課長補佐 杉山 敦彦)

第5章 中野の地域づくり-団塊世代への期待と可能性-
(中野区区長室政策担当課長・調査研究担当課長 川崎 亨)

第6章 相模原市における市民協働・都市内分権の取組み
(相模原市企画部さがみはら都市みらい研究所主幹 齋藤 憲司)

第4部 団塊世代の地域活動促進等に関する施策の動向

-アンケート調査からみた団塊世代施策の全国的動向-

((財)日本都市センター)

 

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