報告書

美しい都市づくりのすすめ―まず醜いものをなくすことからはじめよう―

美しい都市づくりのすすめ―まず醜いものをなくすことからはじめよう―


A4判 115p
定価1650円(本体価格1500円+税10%)

まず醜いものをなくして街をきれいにすることが美しい都市づくりの第一歩です。そして、きれいな街を美しい都市にしていくためには、人々が協力して地域ぐるみでの取組を活発に行うことが重要であり、そのためにはコミュニティの再生が必要となります。このことを踏まえ、美しい都市づくりとコミュニティの形成を表裏一体として進めていくことが求められます。
本報告書では、(1)屋外広告物、(2)電線・電柱、(3)パブリック・アート、(4)放置自転車、(5)たばこの吸殻・空き缶のポイ捨てや落書きを取り上げて、美しい都市づくりのあり方について取りまとめました。

屋外広告物については、複雑な規制の基準を明確化すること、広告主の責任を追及すること、過料や強制金の導入を検討することが必要です。また、醜い広告物にNO!と言うこと、簡易除却において住民との協働を進めること、屋外広告物を活用して良好な景観を形成する取組も重要です。

電線・電柱については、景観だけでなく安全や防災も前面に出して無電柱化を推進すること、地域別の無電柱化総合計画を策定すること、住民、道路管理者、地元自治体、事業者が連携・協力して推進体制を確立することが必要です。

パブリック・アートについては、設置・整備の基本方針を策定すること、住民参加のもとで設置・整備を行い、周囲の環境と調和しない場合は撤去・移設すること、窓口となる担当課の指定やデータベースの作成など、庁内体制を整備することが必要です。

放置自転車については、環境負荷の少ないまちづくりやコンパクトシティという観点からの自転車対策、自転車利用者のニーズに合致した駐輪場の整備、道路特定財源を活用した駐輪場整備が必要です。

たばこの吸殻などのポイ捨てや落書きをなくすには、マナーを高めること、ポイ捨てを誘発する小さなごみをなくすことが重要です。それらの取組が、犯罪を抑制し安全・安心なまちづくりへとつながり、コミュニティ活動を活発にすることになります。

第1部

第1章 総論
第2章 屋外広告物
第3章 パブリック・アート
第4章 放置自転車
第5章 電線・電柱
第6章 たばこの吸殻・空き缶のポイ捨て、落書き

第2部

第1章 路上の青空は誰のものか ―無電柱化をめぐる一考察―
(執筆:東京大学大学院工学系研究科教授 西村 幸夫 座長)
第2章 美しい都市づくりのための行政手法 ―行政強制を中心に―
(執筆:学習院大学法学部教授 櫻井 敬子 委員)
第3章 都市景観と広告のあり方
(執筆:大東文化大学法学部教授 土岐 寛 委員)
第4章 ロードサイド景観の荒廃と「美しくないもの」の撤去
(執筆:東京大学大学院総合文化研究科教授 松原 隆一郎 委員)

 

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