報告書

自治体と計画行政 -財政危機下の管理と参加-

自治体と計画行政 -財政危機下の管理と参加-


A4版 208p

完売いたしました

 

※ 当刊行物は、宝くじの普及宣伝事業として刊行されたものです。

 

社会経済状況の変化と逓減する歳入と長期債務の累積という財政状況が厳しいなか、自治体のマネジメントの重要性が再認識されてきている。こうした潮流を受けて、近年、多くの自治体で「行政評価」等の、目的の達成度や施策実施による効果の把握に重点をおいた行政管理手法が導入されてきている。その一方で、「計画」の意味や役割については、非常に悲観的な捉え方がなされている。

 

しかし、不確実性の高い時代であるからこそ、確実な資源を確実に配分することで、地域にとって有効な行政運営を行うことが、自治体の最も重要な役割である。そして、このような役割を果たすことが、まさに計画が本質的にもつ機能や役割である。こうした問題意識のもと、(財)日本都市センターでは、2001年から2ヵ年にわたり、「自治体における新しい計画行政のあり方に関する調査研究」を行ってきた。なお、本調査研究を進めるにあたっては、(財)日本都市センター内に、「自治体計画行政研究会」(委員長 森田朗東京大学大学院法学政治学研究科教授)を設置した。初年度にあたる2001年度は、自治体の総合計画についてアンケート調査による実態把握、研究会委員等の報告と意見交換、そして、総合計画の問題・課題の取りまとめを行い、『自治体と総合計画─現状と課題─』(2002年3月)として公刊した。そして、2002年度には、これらの結果を踏まえて、研究会委員の報告と意見交換、6都市自治体に対してのヒアリング調査を行い、現代における自治体の計画の意義や目的、計画的な行財政運営のあり方についての検討等を進め、今般、本報告書を作成した。

 

本報告書では、不確定な社会状況や危機的な財政状況、そして、これからの自治制度下における自治体計画では、「効率的な行政管理」と「参画」という両方の視点を併せ持つことこそが重要であり、こうした計画に基づき着実に行財政運営を進めていくことが、地域住民にとっては真に有効なものとなるという視点に立ち、全体をとりまとめている。

 

本報告書が、これからの社会経済状況、財政状況下での計画的な行財政運営のあり方、計画づくりの方策を示唆し、ひいては、わが国の地方自治の発展にいささかでも寄与できれば幸いである。

 

序 これからの自治体計画行政の視点

第1部 自治体計画行政をめぐる論点

 

第1章 我が国の自治体(総合)計画の歴史

第2章 自治体における計画間関係と組織間関係

第3章 参加と計画―市民参加の再構築と計画過程の再構築―

第4章 対話と自治体計画行政

第5章 長期計画から戦略経営へ

 

第2部 自治体計画行政の姿

 

第1章 自治体計画行政の姿―効率的な行政管理と参画の視点から―

第2章 自治体総合計画の姿―自治体アンケート結果から―

第3章 自治体の計画行政の姿 ―自治体ヒアリング調査結果から―

 

資料編

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