地域産業の発展に向けた自治体のあり方 ―人材育成と地域マネジメント―
Ａ5判 186ｐ
定価1,650円（本体価格1,500円＋税10%）
amazonでの購入はこちらから
エグゼクティブサマリー（PDF）のダウンロードはこちらから
PDFの全文ダウンロードはこちらから
都市における産業は、地域の雇用や観光等に結びつくなど、地域経済の循環において重要な役割を果たしている。それだけでなく、地域の文化、シビックプライドを支えるといった側面も有している。しかし、地域産業は、グローバル化に伴う価格競争や消費者ニーズの変化、後継者の確保、技術承継など、様々な課題を抱えている。こうしたなか、これら地域産業の高い技術力を次の世代へ継承・発展させ、地域の活性化を図るため、都市自治体の現場では、企業の主体的な取組みを支援すべく、幅広い施策が行われてきている。
かつての都市自治体の産業振興施策は、国が進める産業立地政策の受け皿となる企業誘致政策が中心だったが、その後、地域において自立への機運が高まり、地方分権の動きもあって、政策主体としての積極的な取組みが見られるようになってきた。一方で、都市自治体においては、庁内外との連携、財源の確保、職員の人材育成などについての課題が山積している。
このようななか、日本都市センターでは、2021 年度に、学識者からなる「地域産業の展開に向けた都市自治体の施策に関する研究会」（座長：関満博 一橋大学名誉教授）を設置し、調査研究を進めてきた。本研究会では、地域産業のうち、まずは、「地域に根ざした産業」（地域の自然的（地理・気候）・歴史的条件などを生かしたものづくりを中心とする産業）に焦点をあてながら、今後の地域産業の展開と都市自治体の先進事例の調査等をふまえて、都市自治体が取り組むべき施策とその進め方について研究を行ってきた。こうして、議論は、組織外部との連携・協働や地域マネジメント、そして首長のリーダーシップと職員の人材育成にまで及んでいる。
本報告書は、そうした研究会において積み重ねられた議論と、ヒアリング調査の結果をふまえて、成果を取りまとめたものである。
序章 都市自治体が地域産業振興に取り組む意義と課題 PDF
専修大学経済学部教授 河藤 佳彦
第1章 地域の雇用・利益を生み出すための戦略的な産業振興策 PDF
実践女子大学人間社会学部教授 吉田 雅彦
第2章 首長のリーダーシップと職員の人材育成 PDF
一橋大学名誉教授 関 満博
第3章 組織外部との連携・協働とネットワーク構築による自治体産業政策の推進 PDF
専修大学経済学部教授 河藤 佳彦
第4章 事例にみる都市自治体の地域産業施策の実践と展望
－笠間市・富士市・高岡市・江津市へのヒアリング調査結果をもとに－ PDF
日本都市センター研究員 森 愛美子
終章 これからの都市自治体の地域産業政策 PDF
一橋大学名誉教授 関 満博