第14回都市調査研究グランプリ 受賞者の声
最優秀賞:豊中市都市経営部 とよなか都市創造研究所
この度は、第14回都市調査研究グランプリにおきまして、最優秀賞という非常に栄誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます。
とよなか都市創造研究所は、豊中市の自治体シンクタンクとして、市の持続的な発展と計画的な市政の推進に資することを目的に、中長期的な視点に立った都市政策に関する調査及び研究を行っています。
今回の研究テーマとなった社会的処方とは、社会的なつながりの力で健康の維持・増進を図ろうとする考え方・取組みのことですが、そのような言葉を扱ったこの研究自体も、調査研究にご助言をいただいた大学等の先生方、視察にご対応いただいた団体のみなさま、そして庁内セミナーに参加くださった職員のみなさんなど、さまざまな方々とのつながりのなかで成立したものです。ご指導・ご支援を賜りましたすべてのみなさまに、心より感謝申し上げます。
今回の受賞もひとつの契機としながら、また新たなつながりができることを期待しています。本研究の成果が、多くの自治体のみなさまのご参考になれば望外の喜びです。今後とも、情報共有やご指導のほど、よろしくお願いいたします。
<研究報告書>豊中市における地域づくりと健康づくりに関する調査研究―社会的処方の視点をふまえて―(健康と都市政策)
※以下のURLにて研究報告書を公表しています(とよなか都市創造研究所HPへのリンク)
優秀賞(政策応用部門):西条市自治政策研究所
この度は、第14回都市調査研究グランプリにおいて「優秀賞」という栄誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます。また、本研究を進めるにあたり、御指導・御支援を賜りました皆様に、この場をお借りして心より感謝を申し上げます。
西条市では、2017年に自治体シンクタンクである「西条市自治政策研究所」を設立し、本市が直面する政策課題について、調査・分析を行い、課題解決に向けた提言等を行ってまいりました。
近年、全国各地でバス会社の撤退や路線の廃止などが続出し、地域モビリティ環境の維持・改善が大きな課題となっていますが、本市においても例外ではなく、市内のバス路線が次々に廃止される等、地域モビリティ環境の維持・改善は喫緊の課題となっています。
そのような状況の中、西条市の抱える課題を整理し、全国の様々な先進事例を分析することで、西条市の実情に見合う地域モビリティ環境の維持・改善に向けた施策を提言いたしました。
「西条市のどこでも、だれもが容易に移動ができる環境を、将来にわたって提供する」ために行った本調査研究が、各自治体の皆様に少しでも参考となれば幸いです。
<研究報告書>西条市における持続可能な地域モビリティ環境の構築に向けた提言
※以下のURLにて研究報告書を公表しています(西条市HPへのリンク)
https://www.city.saijo.ehime.jp/site/saijo-jichiken/results-of-activities-jichiken.html (2022年度成果)
優秀賞(政策応用部門):本田 藍(熊本市都市政策研究所)
この度は非常に名誉ある賞をいただき光栄に思います。今回の調査研究は今から3年前、私が研究所に入所して1年目に着手した研究になります。研究所に入所する前は若い世代の食生活改善に向けた研究を行っていました。
研究の中で一番課題になっていたのは、健康に関心のない若い世代に対してどうやって健康的な食生活への情報を届けるのか、また、どうやって行動変容を促すのかということでした。その課題に対する政策的アプローチの一つとして、行動経済学のナッジ理論を活用した研究に取り組みました。
研究を進めるにあたって、政策研究について何の知識もない私に対して根気強く指導いただいた所長・副所長、研究に忌憚のない意見を交換してくれた研究所の研究員、現場のデータ提供や熊本市の健康づくりに関する意見をくださった健康づくり推進課の皆様やその後の研究でも様々なご協力をいただいている関係者の方々に深く感謝申し上げます。今回の受賞を励みに今後も社会貢献につなげられるような政策研究を目指して精進していきたいと思っています。重ねて、今回の受賞に心より御礼申し上げます。
<研究報告書>熊本市における若い世代の食生活改善にむけた施策についての考察
※以下のURLにて研究報告書を公開しています(熊本市HPへのリンク)
https://www.city.kumamoto.jp/hpKiji/pub/detail.aspx?c_id=5&id=45656&class_set_id=2&class_id=2570
奨励賞(政策基礎部門):盛岡市まちづくり研究所
この度は、第14回都市調査研究グランプリにおいて奨励賞を頂き、誠にありがとうございます。本調査研究を進めるにあたり、ヒアリングや分析にご協力くださった関係者のみなさま、ご指導・ご支援を賜りましたすべてのみなさまに心より感謝申し上げます。
盛岡市では、平成20年度に岩手県立大学と共同で「盛岡市まちづくり研究所」を創設し、緊急度・優先度の高い市政課題の調査研究に取り組んでおります。
本調査研究では、市が地域課題解決に向けデータ利活用を推進するための方策を提言することを目指し、データ利活用を主にEBPMの視点で整理し、市の課題である「除雪」をテーマにデータ活用の具体を検討しました。その結果、市は一部EBPMに取り組んでいること、業務データの分析や活用を通じ事業改善や効率化に臨むことが必要であるということを示し、「データの利活用を推進するための伴走支援体制の構築」と「保有データの棚卸しと庁内における共有」の重要性を提言しました。
本調査研究が各自治体の皆様の参考になりましたら幸いです。
<研究報告書>盛岡市における地域課題解決のためのデータ利活用の推進について
※以下のURLにて研究報告書を公表しています(盛岡市HPへのリンク)https://www.city.morioka.iwate.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/047/353/houkokusyo-R04.pdf
奨励賞(政策基礎部門):佐藤 みのり(笛吹市役所)
この度は大変名誉な賞をいただき誠にありがとうございます。
『いったい、使用料はいくらにすればいいんだい?』
私が公営企業に在籍していた当時の課長からの問いかけです。この言葉は私の心の中にずっと引っ掛かりとして残り、今回の研究を行う動機となりました。折しも新型コロナウイルス感染拡大の影響により、職場の業務が中止・延期を余儀なくされ、私はこの機会にと、業務に従事しつつ令和3年から2年間大学院に通わせていただきました。そこで以前から疑問に思っていた、公営企業の経営健全化や料金改定について、調査・研究をする機会を得ました。その折の生まれて初めての論文が、今回応募させていただいた論文になります。
時代は急激な人口減少時代を迎えています。上下水道事業においても、人口減少は使用料(=使用量)の減少に直結する問題です。併せて、施設の老朽化に対する更新(長寿命化やアセットマネジメント)も深刻な問題です。果たして国の指示どおりに“経営健全化へのロードマップ”を実施することで、住民の負担を最低限に抑えつつ、事業の持続可能性を確保することができるのか?が、私の研究テーマでした。
経過や結果はここでは割愛しますが、私の受賞が今後、後輩たちが自分で何か疑問を持ち、探求する姿勢を持つきっかけになればこれほどうれしいことはありません。日々の業務で手一杯だとは思いますが、ぜひ中小地方自治体の方々も頑張って様々なチャレンジをしてほしいと思います。