徴税行政における人材育成と専門性(ブックレット29)
徴税行政における人材育成と専門性(ブックレット29)
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財団法人日本都市センターでは昨年度から今年度にかけて「都市自治体行政の専門性に関する実証検討」をテーマに挙げて調査を行ってきた。昨年度は児童相談行政に関する研究成果を「児童相談行政における業務と専門性―みんなで支える子どもと命―」(座長:藤田由紀子・専修大学法学部教授)としてまとめたところであり、児童相談所を設置していない都市においても児童相談行政に関する知識やノウハウを取得することによって、関係機関や住民と連携して、将来を担う子供たちを地域として育てていく上で基礎自治体が果たす役割の充実に少しでもお役に立てていただけたのではないかと考えているところである。
昨年度から研究に着手していた徴税行政について、今年度は精力的に調査を実施しこの度ブックレットとしてまとめることができた。今年度は藤田座長が在外研究のため、本調査は村上祐介・日本女子大学人間社会学部准教授及び手塚洋輔・京都女子大学現代社会学部講師を中心に当センターの鈴木潔主任研究員がフォローする形で調査研究を進めた。
「徴税」を本調査のテーマとして取り上げたのは、都市を巡る厳しい財政状況からというのみならず、公平な課税と徴税がなされなければ都市行政への信頼が得られない大変重要な部門であること、また、現場では相手の状況に合わせて的確に対応するとともに税法のみならず他の法律知識等にも裏打ちされたスキルが必要とされ、これは現場での場数を踏むことによって習得される部分も多いと考えたからである。
まず、手塚講師に様々な規模の都市における徴税事務と人材育成の状況をヒアリング調査に基づき概観していただき、その課題と対応方策を探っていただいた。村上准教授には、最近多くの事例が見られる徴税事務における広域連携による効果を、徴税そのものにおける成果とともに人材育成の切り口から光を当てていただいた。さらに、篠塚三郎・株式会社全国地方税徴収実務機構チーフアドバイザー及び飯牟礼成則・横浜市財政局主税部税務課市税徴収担当係長には第一線の現場で徴税事務に長くかかわってきた経験からご寄稿いただき貴重な示唆を得た。
第1部 都市の徴税行政における人材育成のあり方
第1章 徴税行政における組織と人材
(京都女子大学現代社会学部講 手塚洋輔)
第2章 徴税行政の人材育成における自治体間連携の手法と可能性
(日本女子大学人間社会学部准教授 村上祐介)
第2部 事例紹介
第1章 神奈川県における税務機構の変遷と職員研修・人材育成等について
(株式会社全国地方税徴収実務機構チーフアドバイザー 篠塚三郎)
第2章 横浜市の徴税行政における人材育成と専門性
(横浜市財政局主税部税務課市税徴収担当係長 飯牟礼成則)
資料 調査対象団体における徴税担当部門の組織と事務分掌