2013年度以前の調査・研究

地方自治の将来展望に関する調査研究2007

地方自治の将来展望に関する調査研究

1.趣旨・目的

 国際化、情報化を背景として、いわゆる「東京一極集中」が加速度的に進展している中にあって、関西を拠点とする学識経験者をメンバーとする研究会を設置し、今後の地方自治の将来展望にかかわるさまざまな論点について、その最新の現状を踏まえて議論を行い、関西圏からの視点を意識しつつ、都市自治体として当面するいくつかの課題を整理した。

2.調査研究の方法

 地方自治制度の理論及び実態に造詣のある関西圏の学識者(行政学、財政学など)等からなる研究会(「地方自治の将来展望に関する研究会」)を2か間にわたり設置し、大阪・京都で開催した。 
 また、都市自治体の実務者として総務省より関西方面の都市自治体へ出向している実務者(9名)もオブザーバーとして参画した。
 研究会ごとにテーマを設定し、当該テーマに関する主な論点について、総務省等の実務者から現状や課題について説明を受け、それを踏まえて意見交換を行うという方式を基本とし、議論を踏まえ、諸課題を整理することとした。
 平成19年度は前年度の調査研究成果を踏まえて、地方自治全般に関して討議を行った。
 本調査研究の成果物として、平成20年3月に報告書『地方自治の将来展望に関する調査研究』を発刊した。

3.調査研究の概要・成果

調査研究の内容として、地方分権改革など当面する地方自治について2部構成で整理した。 

 (1)第1部 地方自治をめぐる諸問題 
 「第1章 基礎自治体の将来像について」では、第29次地方制度調査会における基礎自治体のあり方に関する審議の動向、市町村合併都市のアンケート調査結果、基礎自治体の果たすべき役割についての市区長アンケート状況等について意見交換を行い、整理した。
 「第2章 地方分権について」では、第一期地方分権改革の成果、第二期地方分権改革の基本的考え方、地方分権改革推進委員会の検討状況や今後のスケジュール等について意見交換を行い、整理した。
 「第3章 道州制について」では、第28次地方制度調査会の「道州制のあり方に関する答申」、海外における地方広域行政論、政府の道州制ビション懇談会及び自民党の動向や都市の対応等について意見交換を行い、整理した。
 「第4章 地方税財政について」では、新型交付税や地方公共団体の再生法制について意見交換を行い、整理した。 

 (2)第2部 関西から見た地方自治の課題と展望 
 第1章 関西から見た地方自治将来展望
 第2章 関西自治体の市町村合併と地方分権改革
       -合併アンケート調査結果から-
 第3章 中央省庁の地方自治体観
 第4章 道州制における国と道州との間の権限配分
 第5章 地方自治体の人事行政-関西の衛星都市を中心に
 第6章 地方政府予算と地域の意思決定システム
 第7章 地方交付税改革
 第8章 法定外税の歴史的変遷と地方環境税の可能性
 第9章 国民健康保険財政に関する考察

4.調査研究の体制(地方自治の将来展望に関する研究会)

座 長 秋月 謙吾 京都大学公共政策大学院・大学院法学研究科教授
 委 員  池田 佳隆 大阪教育大学教育学部准教授
 〃  市川 喜崇 同志社大学法学部教授(平成19年度3月まで)
 〃  稲継 裕昭 早稲田大学政治経済学術院教授
 〃  上子 秋生 京都大学大学院法学研究科教授(平成19年3月まで)
川勝 健志 京都府立大学福祉社会学部准教授(平成18年10月から)
 〃  北村 亘 大阪市立大学大学院法学研究科准教授
 〃  只友 景士

滋賀大学経済学部准教授(平成18年10月から)

長峯 純一 関西学院大学総合政策学部教授(平成19年4月から)
林 宏昭 関西大学経済学部教授(平成18年10月から)
 〃  諸富 徹 京都大学公共政策大学院・大学経済学研究科准教授

(敬称略、委員は50音順、所属役職等は平成20年3月現在)

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