地方分権型時代における市民と都市自治体との関係構築のあり方に関する調査研究2001
地方分権型時代における市民と都市自治体との関係構築のあり方に関する調査研究
1.調査研究の概要
今次分権改革により、自治体の自己決定・自己責任原則の強化が図られたところであるが、我が国の市民社会の更なる成熟化に向けて、基礎自治体の重要性についての再認識とともに、市民自治の拡充、都市内分権の展開等の課題に注目が集まっている。そこで、当センターでは、地方分権の促進と市民自治の確立の視点に立脚し、その基盤として位置づけられるコミュニティや市民組織等の実態を把握した上で、市民自治の基層単位である自治的コミュニティ形成の動きと都市内分権等の潮流を繋げるものとして、「近隣政府(ネイバーフッド・ガバメント)」というテーマに着目することにより、地方分権型社会における市民と都市自治体との新しい関係構築のあり方を探ることを目的として、平成12年度、市民自治研究委員会(委員長:寄本勝美 早稲田大学教授)を設置した。
平成12年度の調査研究においては、特に、我が国におけるコミュニティ政策の実績と現状及び今後の課題を総括することに主眼を置き、全国の市・特別区及び都道府県に対するアンケート調査、並びに先行自治体に対する現地ヒアリング調査を実施した。また、諸外国のコミュニティや近隣政府等の状況について、委員・学識経験者から基調報告をいただき、近隣自治機構のイメージの試案を提示した。そして、これらの成果を、中間報告書『近隣自治とコミュニティ~自治体のコミュニティ政策と「自治的コミュニティ」の展望~』として取りまとめた。
平成13年度は、これらの研究成果を踏まえ、「自治的コミュニティ」の具体的なあり方を掘り下げて議論するとともに、諸外国の事例等を参考に、近隣政府・近隣自治機構の仕組みづくりについて更なる検討を進め、最終的には、日本における近隣政府の制度化について、提案・提言を行うことを目的として調査研究を行った。そして、これらの成果を、最終報告書『自治的コミュニティの構築と近隣政府の選択』として取りまとめたところである。
2.調査研究の体制(市民自治研究委員会)
委員長 | 寄本 勝美 | 早稲田大学政治経済学部教授 |
委員長代理 | 遠藤 文夫 | 元東海大学法学部教授、元自治省審議官 |
委 員 | 青山 庄司 | 大津市企画部長 |
〃 | 阿部 昌樹 | 大阪市立大学法学部教授 |
〃 | 井上 繁 | 常磐大学コミュニティ振興学部教授 |
〃 | 卯月 盛夫 | 早稲田大学芸術学校教授 |
〃 | 江上 渉 | 成蹊大学文学部助教授 |
〃 | 大石田久宗 | 三鷹市生活環境部次長コミュニティ文化室長事務取扱 |
〃 | 倉沢 愛子 | 慶応義塾大学経済学部教授 |
〃 | 小池 治 | 横浜国立大学大学院国際社会科学研究科教授 |
〃 | 関谷 寛二 | 宇都宮市市民生活部市民生活課長 |
〃 | 高島 茂樹 | 総務省自治行政局行政体制整備室長 |
〃 | 高部 正男 | 総務大臣官房審議官(地方行政・地方公務員制度、選挙担当) |
〃 | 名和田是彦 | 東京都立大学法学部教授 |
〃 | 森岡 淸志 | 東京都立大学人文学部教授 |
〃 | 横田 光雄 | (財)地方自治研究機構参与 |
〃 | 横山 悠 | 横浜市泉区長 |
〃 | 間島 正秀 | (財)日本都市センター研究室長 |
専門委員 | 李 起豪 | 延世大学社会科学研究所主席研究員 |
(敬称略、委員は50音順、平成14年2月現在)
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