報告書

子育て家庭の孤立を防ぐ―公民連携に着目して—

A5判 132p
定価1,650円(本体価格1,500円+税10%)
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2015 年よりスタートした子ども・子育て支援新制度のもと、都市自治体は子育て家庭への切れ目ない支援のため、施設整備や支援事業など様々な取組みを行ってきた。一方で、人口減少や核家族化といった社会・地域環境の変化による地縁・血縁的なつながりの希薄化、出産による人間関係の変化、また、「子育ては私的なことであり親が頑張るべきものである」という社会の認識や規範はいまだ存在する。
こうした様々な要因が絡み合い、子育て家庭が周囲に悩みを相談できずに孤立しているという現状が指摘されてきた。さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大が、この問題を顕在化させている。こうした子育て家庭の孤立は、育児不安や困難などの問題だけでなく、行政の対応や支援の遅れ、虐待につながる恐れもある。
これらの課題に対し、都市自治体に求められることは、予防的観点を持ち、孤立してしまう前から各家庭のニーズに寄り添った支援を届けていくこと、各家庭が支援にアクセスしやすい環境を整えること、社会全体が子育てに関わる環境を整備し、子ども達が育つ家庭環境や地域環境を整えていくことなどであると考えられる。しかし、行政の職員だけでこれらの全てを行うことは、人員的・財政的な問題や公平性の観点、私的領域への介入などの問題もあり難しいのが現状である。
このようななか、日本都市センターでは、2021 年度に、学識者からなる「子育て家庭の孤立に対する都市自治体の対応に関する研究会」(座長:山口道昭 立正大学法学部教授)を設置し、調査研究を行ってきた。本研究会は、子育て家庭の孤立の問題について、地域で子育て支援やつながりづくりを行うNPO に着目し、孤立予防やつながりづくり、子育て支援等においてNPO が果たす役割や、子育て支援、要保護・要支援家庭への対応における行政とNPO 等の連携のあり方などについて、行政とNPO の双方へ調査を行い、検討を行ってきた。本報告書は、これらの研究会において積み重ねられた議論と、ヒアリング調査等の結果を成果として取りまとめたものである。

序 章 本報告書における問題意識と論点  PDF

立正大学法学部 教授 山口 道昭

第1章 子育て家庭の孤立を防ぐための都市自治体における支援体制のあり方  PDF

淑徳大学短期大学部 教授 佐藤 まゆみ

第2章 子育て家庭の孤立を防ぐための居場所・関係づくり ―NPO の可能性―  PDF

早稲田大学文学学術院文化構想学部 教授 石田 光規

第3章 子育て家庭の孤立における都市自治体の対応と展望 ―松戸市・善通寺市の事例から―  PDF

日本都市センター 研究員 岸本 訓史

終 章 子育て家庭の孤立に関する都市自治体政策 ―コミュニティとの協働・連携―  PDF

立正大学法学部 教授 山口 道昭

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