都市自治体におけるツーリズム行政 ―持続可能な地域に向けて―
都市自治体におけるツーリズム行政 ―持続可能な地域に向けて―
A5判 258p
定価1650円(本体価格1500円+税10%)
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近年、地方創生のための成長戦略の柱として観光が位置付けられ、訪日外国人旅行者(インバウンド)誘致という局面もあって、国と地方、公民の連携による取組みが進められてきた。しかしながら、2020 年初めのころからの新型コロナウイルスの感染拡大で、観光分野は大きな危機に晒されるようになり、今、観光に関する事業継続のためのきめ細かい対応が求められている。
このようななか、日本都市センターでは、2020 年度に、学識者からなる「都市自治体におけるツーリズム行政に関する研究会」(座長:川原晋 東京都立大学都市環境学部教授)を設置し、調査研究を進めてきた。
本研究会では、従来の自治体の観光行政のあり方や観光政策の取組みを一歩進めるにはどうすべきかという中長期的な問題意識に立って議論を始めた。そして、明らかになった課題は、観光目的にとどまらない持続可能な地域づくりのために、都市自治体が果たすべき役割はどのようなものかということであった。これを「ツーリズム行政」という言葉に託し、それが少しでも具体的な形をなすことを目指して、調査研究を行ってきた。
本研究会の議論は、新型コロナウイルス感染症が拡大するなか、地域で暮らす住民、大きく打撃を受ける観光関連事業者、そして、それを支える自治体行政に寄り添いながら展開した。その闊達な議論のなかから、住民(着地側)と観光者(発地側)の視点、観光の取組みがストックとして積み重なる持続可能な仕組みづくりの視点、身近な地域の資源を観光に活用していく視点、観光に関する地域の関係性構築の視点、自治体行政が観光政策に取り組む意義としての公共性や公益性の視点などが見いだされることとなった。まさに、本研究会の歩みは、持続可能な地域に向けて、そうした多面的な視点によって、何が必要なのかを探る「旅」ともいえるものであった。
本報告書は、そうして研究会において積み重ねられた議論と、ヒアリング調査および全国815 市区を対象としたアンケート調査の結果をふまえて、成果を取りまとめたものである。
序章 都市自治体による今後の観光行政の論点 PDF
東京都立大学 都市環境学部観光科学科教授 川原 晋
公益財団法人日本都市センター
第1 章 コロナ禍で見直される観光の意義 PDF
立教大学 観光学部観光学科教授 羽生 冬佳
第2 章 消費されない観光価値を生むストック型の観光行政へ PDF
東京都立大学 都市環境学部観光科学科教授 川原 晋
第3 章 地域のインフラを活用した観光の可能性 PDF
日本大学 理工学部まちづくり工学科教授 阿部 貴弘
第4 章 地域における関係性構築と観光まちづくり PDF
國學院大學 研究開発推進機構兼新学部設置準備室教授 米田 誠司
第5 章 これからの観光政策と自治体行政 PDF
長野県立大学グローバルマネジメント学部助教 三浦 正士
第6章 事例にみる都市自治体の「ツーリズム行政」の実践と展望-八戸市・釜石市・倉敷市へのヒアリング調査結果- PDF
日本都市センター研究員 安齋 顕考
第7 章 観光政策に関するアンケート調査報告 PDF
日本都市センター研究員 安齋 顕考・髙野 裕作・黒石 啓太
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