都市自治体による持続可能なモビリティ政策-まちづくり・公共交通・ICT-
都市自治体による持続可能なモビリティ政策-まちづくり・公共交通・ICT-
A5判 328p
定価1100円(本体価格1000円+税10%)
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超高齢・人口減少社会の到来に伴い、地域の公共交通はまちづくりのあり方とともに抜本的な見直しを迫られている。交通政策基本法(2013年12月)などの法律・制度の制定を受け、多くの都市自治体では、事業者への補助による路線の維持、コミュニティバスの運行といった従来から行われていた公共交通政策だけでなく、地域公共交通網形成計画および立地適正化計画の策定を軸とした「コンパクトプラスネットワーク」の都市構造への転換など、総合的なまちづくりと連携した公共交通政策を、主体的に策定・実施することが求められるようになってきた。
このような背景のもと、日本都市センターでは、既に2015年3月に「人口減少時代における地域公共交通のあり方―都市自治体の未来を見据えて-」と題した報告書を取りまとめたところである。その後、各都市自治体は、積極的に公共交通政策に取り組んできているが、具体的な取組みが進む中で、新たな課題・論点も浮かび上がってきている。このような現状を踏まえ、日本都市センターでは2016年度に「都市自治体のモビリティに関する研究会(以下、モビリティ研究会)」(座長:谷口守 筑波大学システム情報系社会工学域教授)を設置し、2カ年にわたって調査研究を実施してきた。
本調査研究では、地域公共交通だけでなく「まちづくり」「ICT」を構成要素とする「モビリティ」という概念を用い、総合的に「人がどう動けるようにするか(=モビリティ政策)」、さらにはその持続可能性について議論を深めてきた。本報告書はモビリティ研究会において委員を務めていただいた学識者および自治体職員による論考と現地ヒアリング調査、および全国814都市自治体を対象としたアンケート調査の結果を踏まえ、研究会の成果を取りまとめたものである。
第Ⅰ部 都市自治体のモビリティ政策の現状と課題
第1章 公共交通が支える都市空間づくりの意義
(筑波大学システム情報系社会工学域教授 谷口 守)
第2章 都市自治体のモビリティを取り巻く課題と論点
(日本都市センター研究員 髙野 裕作)
第Ⅱ部 公共交通機関存続の危機への対応
第1章 地方都市における公共交通機関を取り巻く危機とその対応
(日本都市センター研究員 髙野 裕作)
第2章 事故、経営危機を契機とした鉄道事業再構築:えちぜん鉄道、福井鉄道に対する福井市の取組み
(福井市都市戦略部次長 酒井 俊雄)
第3章 路面電車、市営バスの廃止を契機としたバスネットワークの再編
(岐阜市 企画部 交通総合政策審議監 青木 保親)
第4章 四日市市・盛岡市における公共交通機関の存続・活性化の取組み【現地ヒアリング調査報告】
(日本都市センター研究員 髙野 裕作)
第5章 公共交通利用者の減少への対抗策としての連携:ドイツにおける運輸連合の展開
(交通経済研究所 調査研究センター 主任研究員 土方 まりこ)
第Ⅲ部 総合的なビジョン・戦略に基づく都市計画・交通政策の連携
第1章 市の総合的な政策方針、全体的な都市計画への公共交通政策の位置づけ
(筑波大学システム情報系社会工学域教授 谷口 守)
第2章 モビリティと連携した都市計画(土地利用)行政のあり方
(長岡技術科学大学大学院工学研究科助教 松川 寿也)
第3章 姫路市・高松市における総合的な都市計画に基づく公共交通政策【現地ヒアリング調査】
(日本都市センター研究員 髙野 裕作)
第Ⅳ部 モビリティ政策を策定するための新たな計画技術・ICT
第1章 政策立案・計画検討のための新たなデータ・手法
(東京大学生産技術研究所 関本 義秀)
第2章 自治体によるIC カードデータの活用実態
(日本都市センター研究員 髙野 裕作)
第3章 IC カードデータ、バスロケーションプローブデータを活用した再編実施
(岐阜市 企画部 交通総合政策審議監 青木 保親)
第Ⅴ部 都市自治体によるモビリティ政策の持続可能性
第1章 都市自治体による公共交通政策に関連した財政支出の現状と課題
(日本都市センター研究員 髙野 裕作)
第2章 モビリティ政策と福祉政策の連携
(日本都市センター研究員 髙野 裕作)
第Ⅵ部 総括
終章 都市自治体を取り巻くモビリティの今後の展望
(筑波大学システム情報系社会工学域教授 谷口 守)
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