都市自治体の公民連携(文化・芸術振興)に関する研究会
都市自治体の公民連携(文化・芸術振興)に関する研究会
1.調査研究の趣旨
人口減少社会において、複雑化・高度化する市民のニーズへの対応が求められる中で、都市が持続可能な公共サービスを提供していくために、公民連携がますます重要になっている。
こうしたなかで、全国の自治体において、指定管理者制度の活用、PPP/PFIといった多様な形態で、公共施設の管理・運営だけではなく、地域コミュニティやNPO等との連携も含めた形で公民連携が進められている。一方で、公平性・透明性の確保や制御の困難性、市民感情からの乖離といった課題が顕在化していることも事実である。
公民連携に関しては、これまでに、導入から運用にかけての課題、公共施設のハード面でのマネジメントに対する適用等について調査・研究が進められてきたが、本研究では、特に文化・芸術振興部門を題材の中心に据えて、課題を検討する。
文化・芸術振興部門は、特に欧米諸国の都市では、都市の核心的業務として理解されてきているが、我が国では従来、正面からの位置づけが行われておらず、行政に専門人材も極めて少なかった。しかしながら、我が国においても、文化・芸術は、地域の存立基盤であり人を集わせ、地域の価値を高め、住民の生きがいやアイデンティティの形成に繋がることが共通認識となりつつある。
また、公共施設とそのサービスについては、①自治体による適切な制御(公共サービスの安定供給に向けたルール設定、監査等)、②市民ニーズの的確な把握と協働、③事業決定及び実施過程における公正性・透明性の確保(評価)等の課題が現れており、ソフト面重視の施策、質を重視する方向に変化していく必要性が生じている。
これらの課題を踏まえ、本研究では特に、都市自治体と外部(民間・地域・住民)との関係性、公共サービスの質を高めるための評価、都市自治体のとるべき体制について焦点を当てることとする。
2.調査研究の概要
学識経験者及び都市自治体職員等からなる研究会を設置し、以下の検討事項について議論するとともに、現地ヒアリング調査及びアンケート調査を実施する予定である。
<主な検討事項(予定)>
①公民連携の現状(公民連携の実態把握、多様な公民連携手法の論点、適用範囲等の検証)
②公共サービスにおける都市自治体の役割(自治体行政の担うべき役割と責任、公民連携を推進する組織や職員のあり方)
③これからの公民連携(都市自治体による適切な制御システム、市民ニーズの的確な把握、参加・協働のあり方、公民連携に関する評価手法の検討)
3.研究成果の公表
本調査研究の成果をまとめ、平成30年3月に報告書を刊行する予定である。
4.テーマに関する先行研究
<過去の調査研究>
都市自治体行政の専門性に関する調査研究(2010年度)
行政の外部化に関する調査研究(2007年度)
5.研究会委員名簿
座 長 | 大杉 覚 | 首都大学東京大学院社会科学研究科教授 |
委 員 | 大谷 基道 | 獨協大学法学部教授 |
〃 | 金井 利之 | 東京大学大学院法学政治学研究科・法学部教授 |
〃 | 工藤 裕子 | 中央大学法学部教授 |
〃 | 南島 和久 | 新潟大学大学院現代社会文化研究科・法学部教授 |
〃 | 西村 弥 | 明治大学政治経済学部准教授 |
〃 | 松本 茂章 | 静岡文化芸術大学文化政策学部・大学院文化政策研究科教授 |
〃 | 田中 文子 | 世田谷区生活文化部長 |
〃 | 遠藤 文彦 | 可児市市民部人づくり課長 |
(平成28年8月25日現在)
6.研究会開催状況
回 | 開催日 | 議事次第・配布資料 | 議事概要 |
第7回 |
平成30年1月30日 |
議事概要 | |
第6回 |
平成29年12月14日 |
議事概要 | |
第5回 |
平成29年10月12日 |
議事概要 | |
第4回 |
平成29年7月20日 |
議事概要 | |
第3回 |
平成29年2月7日 |
議事概要 | |
第2回 |
平成28年12月1日 |
議事次第 |
議事概要 |
第1回 |
平成28年9月26日 |
議事次第 |
議事概要 |
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