2013年度以前の調査・研究

被災自治体における住民の意思反映に関する調査研究

被災自治体における住民の意思反映に関する調査研究

1. 調査研究の趣旨

東日本大震災では地震・津波被害により多くの住宅が滅失・損壊し、また、福島第一原子力発電所の周辺地域では立ち入りが制限されていることなどから、現在に至るまで多くの住民が、震災前に居住していた市町村区域の内外に避難・転居を余儀なくされている。
これまで、被災自治体においては、復興に向けて各種計画の策定が進められてきた。復興の方向性を指し示すこととなるそれらの計画に住民の意思を反映することは不可欠であるが、避難している住民やその意思をどのように把握し、政策決定に反映させていくか、あるいは合意形成を進めるかが重要な課題と考えられる。
これらについての調査研究を進めるため、当センターでは、平成24年7月に「被災自治体における住民の意思反映に関する研究会」(座長 金井利之 東京大学大学院教授)を設置し、平成25年度も引き続き、被災自治体における住民の意思反映・合意形成の実態を把握するとともに、過去の類似事例を参考にしつつ、その課題について考察・検証しているところである。

2. 調査研究の概要

本研究会においては、次の事項についての調査研究を現地ヒアリング調査等も含めて進めた。

<主な検討事項>
①東日本大震災の被災自治体における住民意思の把握、反映及び反映に至るまでの合意形成過程に係る実態の把握・整理
②過去の類似事例における住民意思の把握、反映及び反映に至るまでの合意形成過程に係る実態の把握・整理
③合意形成過程及びコミュニティの実質的な存続に関する論点整理
④東日本大震災の復旧・復興に係る各種制度の整理

3.研究成果の公表

本調査研究の成果をまとめ、平成26年3月に報告書「被災自治体における住民の意思反映―東日本大震災の現地調査・多角的考察を通じて―」を刊行した。

なお、平成24年度の途中経過として、「都市とガバナンス第19号」(平成25年3月)にて報告を行った。

4.研究会委員名簿(平成25年8月現在)

座 長 金井 利之 東京大学大学院法学政治学研究科教授
委 員 秋田 典子 千葉大学大学院園芸学研究科准教授
太田 匡彦 東京大学大学院法学政治学研究科教授
原田 賢一郎 北海道大学公共政策大学院教授
山﨑 登 日本放送協会解説主幹
山下 祐介 首都大学東京都市教養学部准教授
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