人口減少社会における多世代交流・共生のまちづくり
人口減少社会における多世代交流・共生のまちづくり
A4判 281p
定価1100円(本体価格1000円+税10%)
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我が国は世界でもかつて例を見ないほどの人口減少・超高齢社会を迎えている。そこでは、福祉・医療コストの増加のみならず、地域間、都市内における人口構成の歪みなど、様々な偏在性がもたらされている。また、地域における人間関係の希薄化が進んでおり、地域社会(コミュニティ)の内部において、子育て世代、若者、高齢者などが様々な不安や悩みを抱えている現状にある。今後、都市自治体が地域の活力を維持・向上させるためには、地域社会(コミュニティ)が持つ機能を活かしつつ、高齢者福祉、児童福祉、青少年行政など様々な施策や取組みを融合し、多世代の人々が交流し、そして共生するまちづくりを推進し、都市部と農村部の交流も含め、継続的かつ効果的な仕組みを構築していくことが必要である。
こうした状況を踏まえ、日本都市センターでは、「人口減少社会における多世代交流・共生のまちづくりに関する研究会」(座長 太田稔彦・豊田市長。以下、「研究会」という。)を全国市長会と共同で設置し、地域における様々な主体が連携・協働し支え合う地域づくりを進めるための課題と方向性について検討を行ってきた。
研究会では、学識者委員による講演、市区長委員からの各都市自治体での取組み事例の紹介等を踏まえ、今後の課題等を中心に議論を深めた。さらに、人口減少社会の影響・課題に関する認識と、多世代の交流・共生に関する施策の取組みや拠点整備などに関する全国的な傾向を把握するため、研究会委員(24市区)を対象としたアンケート調査及び全都市自治体(813市区)を対象としたアンケート調査を実施した。本報告書は、その研究成果を取りまとめたものである。
本報告書では、まず研究会における議論の内容をもとに各都市自治体が抱えている懸案や課題等を整理した「序章」を掲載している。次に、第1章から第5章では、学識者委員による現状分析と各種の事例紹介等を交え、多世代の交流・共生の実現に向けた諸課題をひも解く処方箋(ヒント)を掲載した。また、第6章及び第7章では、豊田市と宇部市の取組み事例について紹介している。このほか、研究会が本報告書をもとに取りまとめた「多世代交流・共生のまちづくりに関する提言」と、この提言を受けて全国市長会が2016年6月8日に決定した「多世代交流・共生のまちづくりに関する特別提言」を収録するとともに、研究会が実施した2つのアンケート調査の集計結果を資料編として掲載している。
序章
(公益財団法人日本都市センター研究室)
第1章 複合的な課題を多世代と多主体が協働して解く
(早稲田大学創造理工学部教授 後藤 春彦)
第2章 人口増加を展望した多世代交流と共生のまちづくり政策
―暮らしたい地域と働きたい仕事づくりを応援する産業自治戦略―
(愛知大学地域政策学部教授 鈴木 誠)
第3章 多世代交流・共生のまちづくりの施策・実践と地域社会の挑戦
(ルーテル学院大学学事顧問・教授 市川 一宏)
第4章 多世代連帯をせまるダブルケア
(横浜国立大学大学院国際社会科学研究院准教授 相馬 直子)
第5章 多世代共生型社会にむけて 人口・世帯減少時代のまちづくり
―新たな仕組みを作る必要性―
(横浜市立大学国際総合科学群教授 齊藤 広子)
第6章 多世代交流・共生のまちづくりに関する豊田市の取組み
(豊田市長 太田 稔彦)
第7章 暮らして良し、働いて良しの市民が誇りを持てるまちづくり、多世代共働交流コミュニティづくりへの挑戦
(宇部市長 久保田 后子)
資料編
1 研究会委員(24市区)アンケート調査結果
2 全国都市自治体(813市区)アンケート調査結果
3 研究会設置要綱
4 研究会日程概要
5 研究会議事概要
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